2014年4月から診療報酬について改定がされました。

一部の遠隔読影会社には衝撃が走ったでしょう。

具体的には、画像診断管理加算1および2に変更がありました。
この画像診断管理加算1および2というのは、
わかりやすく言えば、

常勤医で、頑張って、所見をつけている病院には点数を加算します。

というものです。

逆に言えば、

補助(加算)するから、そのお金で常勤医を雇いなさい。

という厚労省の好意です。

そして画像診断管理加算1および2について、
付け加えられた項目は次のようです。

当該保険医療機関以外の施設に読影または診断を委託していないこと。

[illust_bubble subhead=”つまり” align=”right” color=”blue” badge=”check” illst=”check-m2-l”]遠隔診断を出している病院には、画像診断管理加算1も2も与えません!ということです。[/illust_bubble]

遠隔を出して、これまで加算を取って来た病院大打撃です。

なぜこのようなことになったのでしょうか?

それは、
遠隔診断はダメという記載がないことを逆手にとって、
一部の遠隔診断会社が
以下のようなやりとりをしてきたからです。

「うちに任せていただくと、画像診断管理加算2が取れますよ。」

「画像診断管理加算2が取れれば、病院の収益は大幅にアップします。」

つまり、

「うちに任せていただければ、仕事も減るし、儲かりますよ!」

と言って、契約を取ってきたからです。

そんなことをしていたら、
規制がかかるのは当然ですよね。

しかも、
画像診断管理2ならまだしも
1まで剥奪という厳しい改定です。

明らかに一部の会社がやり過ぎた結果です。

厚労省の病院の努力に報おうとした善意(これを引き出すのに先人の努力があったのです)を逆手にとって、未熟な業務態勢でお金だけ儲けようと全く逆の方向に走っているわけですから、許されるわけがありません。
先人の努力(管理加算1の獲得、管理加算2の獲得)をぶちこわしてしまっただけでなく、これ以外の新しい加算のとれる道も閉ざしてしまったのではないか。
そもそも管理加算は病院の内部で十分な体制を作った見返りにご褒美にもらえるものですから、外部の施設に仕事を丸投げしてめくら判を押してごまかすという施設があれば取り消されるのは当たり前だ。

これらは、真面目に読影している人々の感想および嘆きです。

しかし、今回の改定で、
打撃を受けている病院も遠隔画像会社も
打撃を受けたのは収入だけです。

遠隔画像診断が、どの医療機関でも受けられることで、医療の質の向上と効率化が図られる。(遠隔画像診断ガイドライン)

つまり、医療の質と向上と効率化という意味では、
改定前後でなんら変わらないはずです。

制度を逆手に取って、
儲け話をふっかける遠隔画像診断は終焉を迎えました。

また、逆に言えば、医療とは医師が行なうものであって、
そこに医師とは関係のない人物や会社が入り、
病院からの報酬と医師への報酬の間に、
大きなマージンを得ようとする事自体が
やはりおかしいわけです。

病院から4,000円も報酬を貰って、
読影医には報酬しか1,500円や1,800円しか払わない。
これが国の補助の元で平気で行なわれていた訳ですから、
そのような大手遠隔画像診断会社は、
当然淘汰されるべきです。

今回の改定は、
真面目にやっている会社や医師にも
痛い改定ですが、

本当の意味での
Win(患者さん)-Win(依頼医)-Win(読影医)の関係が
作れる第一歩なのかもしれません。