遠隔読影・遠隔画像診断はなぜ普及したのか?
遠隔読影・遠隔画像診断はなぜ普及してきたのでしょうか?
その理由の1つが他科よりも顕著な放射線科医数の不足です。
日本放射線科専門医会の報告によると、OECD26カ国でのデータ(人口100万人あたりの人数)では、
全体の医師数は26カ国中、25位(平均3110人、日本2031人:平均の2/3)、
- 放射線科医に至っては26カ国中26位、つまり最も少ない!!
という現実があります。
(平均104人、日本36人:平均の1/3)
放射線科医が少なくても、撮影するCTやMRIが少なければ回りますが、
- CT、MRIの設置台数はぶっちぎりの1位
だという現実があります。
※人口100万人当たりのCTの日本の設置台数は97台(アメリカ34台、ドイツ16台)
つまり、
最も放射線科医は足りないのに、検査数はぶっちぎりに多い
のが日本の現実です。
まさに、この状態です。
専門医の不足と世界一多いCT、MRIにより量と質の不均衡が発生している。
専門医の高い読影能力を地域に反映させる遠隔画像診断は、地域医療連携に不可欠な要素である。
(遠隔画像診断に関するガイドライン)
とありますように、
CTやMRIのある病院・クリニックに常勤や非常勤で放射線科医が足を運ぶには限界があり、リアルタイムでの「現場」での読影というのは不可能なことなのです。
そういったことが背景にあり、遠隔読影は徐々に進化・普及してきました。