遠隔読影の値段(読影料)は1件いくら?

ランニングコストは、基本料金+読影料がかかります。
基本料金は、会社によって異なります。

  • 基本料金が無料のところは、CT、MRIの読影料は1例あたり4,000円前後。
  • 基本料金が有料のところは、CT、MRIの読影料は1例あたり3,000円前後。

これが相場です。

つまり、

  • 依頼件数が多い施設は、単価が安いところ、
  • 依頼件数が少ない施設は、単価が高くても、基本料金が安いところ

を選ぶ傾向にあります。

ただし、ある程度、値段なんてあってないようなものです。
大手の場合は、この単価から半分かそれ以上のマージンを取りますので、放射線科医が手にする読影料は単価1,500円〜2,000円となります。

つまり、

大手ではない放射線科医と契約する場合は、単価2,500円などでも、十分成立する可能性があります。

大事なのは、ムダなマージンを取られないこと。
かつ、中身のしっかりしたもの。
ですよね。

読影料は施設毎に異なるべき

読影料にいくらかけられるかは、その施設様の状況と考え方次第です。

それと同時に、読影料は施設毎に異なるのが当然であると考えます。

施設毎の画像装置の質の違い

施設によっては、CTやMRIの画像撮影装置が古く、非常に荒い画像しか撮影されないことがあります。

その場合は、いくら放射線科医でも、見えないものは読めませんので、読影できる範囲に限界が生じてきます。

細かな病変はもちろん見えないですし、リンパ節なども大きくならないと見えないこともあります。

そう言った施設様の場合は、もちろん読影医は分かる範囲の最大限の仕事をしようとしますが、
肺炎の有無や、穿孔の有無、腸炎の有無など、非常に大ざっぱな所見しか書くことができません。
装置によっては虫垂炎もわからないことも、残念ながらしばしばあります。

一方で、高精細の画像撮影装置を導入しており、なおかつ検査の大半が造影剤を用いる施設の場合、前述した施設よりもはるかに細かなところまで、病変を見て、評価することができます。

放射線科医からすると、当然細かく見える方が自分の能力を発揮することは出来ますが、その分読影は大変になります。

その両者の施設が、同じ読影料ではやはりおかしい訳です。
当然後者の方が読影料は高くなります

施設毎の依頼する割合の違い

撮影した分をほぼ全て依頼する施設と、臨床の先生がどうしても悩ましい症例だけをピックアップして依頼する施設と、当然、後者の方が読影料は高くなります。

  • 症例を選ばないのであれば、2,000円/件〜
  • 少しでも症例を選ぶのであれば、3,000円/件〜

とあたりが妥当でしょうか。

いずれにせよwin-winじゃないとやめるべき

相場よりかなり高い読影料を取る遠隔会社も、とにかく価格競争させる病院やクリニックも、双方にとってwin-winではありません。

弊社にも、開口一番「1件いくらですか?」とのみ聞いてくる施設様もしばしばありますが、そういった施設様は、それだけでNGです。

  • どういった画像撮影装置があるのか。
  • どういった方法で遠隔の仕組みを作るのか。
  • どういった症例を読影に回すのか。
  • 読影レポートの期限。
  • 緊急読影への対応の有無。

などにより、読影料は大きく変わります。
開口一番「1件いくらですか?」という施設は、これらの点を一切考慮していないからです。

逆に、「うちは1件4000円です。それ以下ならやりません。」と依頼施設の状況も見ずに、まず値段を押し付ける遠隔会社があれば、それも同じ理由でNGでしょう。