遠隔読影の接続方法
「遠隔読影って、どうやって接続しているかわからない。」
「でも所見見れるから、細かい事は気にしない。」
それで結構です。
だって、煩雑ですし、
カルテ上で所見と画像さえ
見れるなら、知る必要もないですから。
読影している放射線科医でさえ、
ほとんど理解していないのが現実です。
しかし、遠隔読影を取り入れるのならば、
知っていても損しません。
どこでなぜお金がかかるのか、よくわかります。
従来の院内で行なう読影システム
依頼医の先生が、撮影依頼をしてレポートを見るまでのflowは
上の図のようになります。
また遠隔読影であっても、
院内のシステムと読影医の自宅を直接繋ぐ場合は、
概ねこれと同じイメージとなります。
(その場合接続にコストが発生します。)
遠隔読影システムが入るとどうなるか?
イーサイトヘルスケア社などのASPのシステムを用いるならば、
上図のように接続する必要があります。
これにより、読影医が院内にいる必要がなくなりました。
このシステムを用いると、
探す放射線科医が、
病院やクリニックに足を運んでくれる放射線科医
から、
全国、世界どこにいてもいいから信頼できる放射線科医
に変わります。
探すハードルも下がりますね。
以上が、従来の接続方法と、ASPのシステムを用いた接続方法です。
では、このシステムを用いた場合、どこに初期費用がかかるのでしょうか?
遠隔読影の初期費用とは?
上記の接続のうち、
黒丸●で囲った部位に初期費用として工事費がかかります。
いくらかかるかは、ご使用されている電子カルテと撮影機器により異なります。
見積もりを出すのはもちろん無料です。
その場合、どの遠隔会社を用いても共通して言えることですが、
結構な値段(100万など)かかることがあります。
異なる業者間のシステムを結ぶためです。
しかし一旦システムができてしまえば、
電子カルテ上で、遠隔依頼ができて、所見を読めるので、
あたかも読影医がいるかのように便利になります。
いやいや、その初期費用は出せません!
「遠隔読影は初期費用がかかるのはわかった。」
「見積もりを取ってみたけど、
思ったより高い。なんとかならないの?」
その場合、その電子カルテがある場合は、
初期費用を削減する方法があります。
ただし、手作業が少し増えますので、
放射線技師さんや事務の方の仕事が増えてしまいます。
その方法は次のようです。
電子カルテとASPのシステムは繋げない、
という方法です。
工事する箇所が4カ所から2カ所に減りますので、
初期費用は大きく軽減されます。
ただし、図にあるような手作業が生じます。
実際、初期費用を削減できる代わり、
手作業が発生しますが、
最初に「誰が、どの作業をするか」を
きちんと決めておくと、うまく回ります。
この方法で接続している病院様・クリニック様も結構あります。
ですので、見積もりを取るならば、
すべて接続した場合と、
電子カルテとは接続しない場合と分けて取りましょう。
(これも遠隔読影を頼む相手先がやってくれるはずです。)
以上が、遠隔読影への接続方法と、初期費用のお話です。
「なんでそんなに初期費用がかかるんだよ?」
「どこにかかるんだよ?」
「ぼったくりじゃないのかよ?」
すべての疑問は払拭されたでしょうか?
いや、まだでしたね。
「ぼったくりじゃないのかよ?」
という疑問にはまだお答えしていませんでした。
その初期費用ぼったくりじゃないの?
本当にそう思いたくなるような値段を言われることがあります。
特に電子カルテの会社から言われます。
その場合は、電子カルテとの接続を諦めて、
上記の後者の方法で接続される施設が多いです。
では、なぜそんな値段(100万とか)を言うのでしょうか?
それは、上記のように、
異なる業者間を繋ぐには、実際費用がかかるからです。
もう1つは、他社との接続をするのが嫌だからです。
接続トラブルなどがあったときにどちらが悪いかなど、
当事者の気持ちになると分からなくもありません。
逆に言えば、値段なんてある程度は言い値です。
あってないようなものです。
高値をつけて、やめさせようというのが本音です。
つまり、交渉の余地はいくらでもあります。
ベストなのは、
電子カルテ業者を導入したり、
換えるタイミングであったり、
CTやMRIの画像診断装置を導入したり、
換えるタイミングです。
ついでに導入してもらう作戦です。
つまり、装置を導入するときに、
そのタイミングでない場合は、
是非一度は交渉してみましょう。